マンションといえば、アパートよりは高級な集合住宅というイメージがあると思います。実は、このイメージは日本の建築業界関係者が作り上げたマンションという言葉のイメージであることをご存知でしょうか。マンションという言葉は英語から来ていますが、英語の意味では、日本人が抱くような高級な集合住宅という意味はほとんどないのです。では、どういう意味で使われているかと言いますと、高級は高級でも、集合住宅ではなく、普通の一戸建ての高級住宅をマンションと言うのです。イギリスなどではより限定して、市長公邸をマンションハウスと言ったりします。

ちなみに、アメリカでは分譲物件ならばコンドミニアムという言葉が使われ、賃貸物件ならばアパートメントという言葉を使うのが一般的なようです。イギリスでは、フラットというがもっとも一般的な日本で言うところのマンションに相当する言葉で、高級感をだしたマンションブロックという言葉もあります。お隣の韓国では、1980年代以後、中高層マンションが急増しましたが、これらはアパートと呼ばれています。

さて、日本におけるこの独特なマンションのイメージが作り出された理由は、マンションが建設されはじめた昭和30年代ころに話はさかのぼります。これまでの公団住宅や、アパートとは一線を画したいとの思いから、業界関係者たちはマンションという言葉を使って、一部の限られた階層を対象に建てられた高級路線の集合住宅であることをイメージさせようとしたのです。その後、対象とする層は、徐々に広がっていくのですが、マンションという言葉はそのまま定着していくことになります。

このように、日本においてマンションは比較的大規模な集合住宅をさし、アパートは小規模な集合住宅を指すようにすみ分けられています。また建物のサイズだけではなく構造上も、アパートは、木造や軽量鉄骨造で作られているものが多いのに対し、マンションは鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートで作られています。さらに、アパートは賃貸物件を指していることが多いのに対し、マンションは区分所有、すなわち、一棟の建物の一部を独立して所有できるようにしているものが多いという違いもあります。

マンションのアパートにはないユニークな点としては、共有スペースにプールやフィットネスクラブ、中には温泉つきのものまで、様々な趣向をこらせたものもあることです。これらもマンションの高級感に一役買っているわけですが、バブルがはじけたあと、逆に管理費が余計にかさむということで、現在ではやや人気が衰えているようです。

なお、2011年に施行されたマンションの管理の適正化の推進に関する法律において、「マンションは複数の店舗や事務所と居住となる専用部分が1戸以上ある建物で、区分所有者が最低2名以上いること」と定義されました。